Kylife’s blog

医学と資産形成を学ぶ現役医学生のブログ

頭痛の鑑別

どうもKyです!

 

 

今日は頭痛の鑑別です。

頭痛には一次性のもの(病変に起因しないもの)と二次性(何らかの病変によるもの)があります。

まずは緊急性の高い二次性のものを鑑別し、それを除外できてから一次性を考えていきます。

 

二次性頭痛を疑う所見 SNOOP

S systemic symptoms;全身症状(発熱、倦怠感、るい痩、筋痛)

   systemic disease;全身性疾患(悪性疾患、HIV感染)

N neurological;神経欠落症状

O onset abrupt;突然の発症、雷鳴頭痛、急速に悪化

O older;40歳以上の新規発症

P pattern change;以前と異なる頭痛(頻度、持続、性状、重症度)

これらの症状・所見をみた場合はすぐに頭部CT・MRI、髄液検査、脳外科・眼科へのコンサルをする

最悪(人生最悪の頭痛)・増悪(だんだん増悪)・突発(突然の発症)の3つが全て見られなければ二次性の可能性は下がります。

 

見逃してはいけない疾患として

くも膜下出血

脳出血

髄膜炎脳炎

急性緑内障発作

側頭動脈炎

CO中毒

脳腫瘍

脳膿瘍

褐色細胞腫

 

commonな疾患として

緊張型頭痛

片頭痛

群発頭痛

上気道炎

帯状疱疹

副鼻腔炎

薬物乱用性頭痛

高血圧症

 

まずは、症候を系統的に問診

Onset 突然発症か、緩徐に発症したか

Position 全体か、部分的か

Quality Quantity 痛みの性質、どの程度か(VAS visusal analog scale)

Radiation 頚部や眼への放散

Sequnece 間欠的か、持続的か(持続時間も)

Timing 増悪因子、寛解因子

Assosiation 随伴症状(吐気、めまい、発熱など)

 

このとき、緊急性のある頭痛かどうか判断するのに使える項目をいくつか

突然発症                )

発症から数秒、数分以内に最大となる頭痛 )→くも膜下出血脳出血

人生最大の頭痛             )

増悪傾向の頭痛             →頭蓋内腫瘍、硬膜下血腫

発熱を伴う               →中枢感染症髄膜炎脳炎、脳膿瘍など)、全身性感染症(細菌、ウイルス、HIV感染)

意識障害、意識変容を伴う        →頭蓋内腫瘍、頭蓋内血腫、中枢感染症

運動や外傷を契機に起こった       →動脈解離、頭蓋内血腫

5歳以下、50歳以上の人生初の頭痛    →感染、頭蓋内出血

視力障害、充血、眼痛を伴う       →急性緑内障発作(緊張型頭痛と類似)

項部硬直                →髄膜炎

乳頭浮腫                →頭蓋内腫瘍、脳炎髄膜炎

脳神経所見の異常            →頭蓋内腫瘍、脳動静脈奇形、血管炎

これらも覚えておいて損はないです。

 

これらと先程のSNOOP、最悪増悪突発も考えながら二次性のものを除外できたら一次性を考えます。

頻度の高いのが以下の3つ

緊張性頭痛

片頭痛

群発頭痛

 

緊張性頭痛の特徴は以下の通りです

パソコンを使った仕事などをしていて、広背筋が緊張している人

マッサージでよくなる

両側性

持続時間は不定

眼精疲労や肩こりを伴っている人

職業や両側性であることなどから他と鑑別していきます。

 

片頭痛

片側性が多い(60〜70%)

緩徐に発症

拍動性頭痛

暗く静かな部屋で和らぐ

持続時間は長い(4〜72時間)

閃輝暗点、嘔気、羞明などの随伴

どれも国試でもよく見るキーワードです

 

群発頭痛

片側性

眼または眼周囲

急性発症

数分で最強の痛み

持続は短め(30分〜3時間)

結膜充血、流涙、鼻汁など急性緑内障発作に類似した症状を伴う

 

これらの特徴を覚えていればcommonな疾患も鑑別がスムーズにいくかと思います。

 

ではでは!

 

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